2018年の支援

かんぼれんの主たる支援先であるイエズス会サービスカンボジア(以下JSC)シソポン事務所では、責任者のヴィチェカさんが産休のため、ハムソックさんが新たに責任者になりました。ヴィチェカさんは無事、男の子を出産し、今は経理担当として職場復帰しています。
他スタッフは、開発担当のバーツさん、リューさん、教育担当のキムさんは前年と同じです。神学生はベトナム出身のトワンさんが異動になり、新たにベトナム出身リューさんが加わりました。この少ないメンバーでBanteay Meanchey州を日々駆け回っています。そして、2017年の報告にあったように、今年から辺地にある三つの村を重点支援地域にし、更に地域に溶け込んだ支援活動を進めていました。

2018年支援一覧

1.開発支援

  • 障がい者、貧しい人のための家 新築2軒+修理5軒
  • 牛銀行 3家族
  • 障がい者、貧しい家族への少額ローン 5家族
  • 米作改善活動講習会 2回(22家族)

2.教育支援

  • 通学用自転車 30人
  • 障がい者、貧しい家の小学生への奨学金 4人
  • 障がい者、貧しい家の中学生への奨学金 13人
  • ラジオ教育番組放送 8番組

3.車椅子支援

  • 車椅子 25台

4.Light of Mercy Home 子どもの家

 

1. 開発支援

障がい者、貧しい家族のための家 2軒

チェックさん(34歳) シングルマザー 子ども3人
3年前3番目の子どもを出産した時に、下半身不随になってしまいました。その後、夫が家を出て行ってしまい、妹夫婦に世話をしてもらってきました。しかし、収入がなくなったため、子どもたちは学校に行かずに働きに出ています。かんぼれんでは、彼女が出入りのし易い平屋の家を提供しました。

障がい者、貧しい家族のための家の修理 5軒

リさん 夫婦、子ども6人の8人家族
リさんはご自分の畑をもっていないため、日中、夫婦は働きに出かけ、子どもたちは、昼間は家で留守番をしています。小川の脇にある古い家は雨漏りがする上に、雨期には水につかっていました。そのため、JSCではこの家の屋根のトタンを葺き替え、土台を50cm程かさ上げする支援をしました。

牛銀行 5家族

コンさん(67才)
ご自分の畑を持っていないため、近くの人から5頭の牛を預かり飼育することで生計を立てていました。しかし、牛の持ち主が病気の治療のために牛を売ってしまい、彼は仕事を失いました。
そのため、かんぼれんでは、彼に牛銀行から一頭の雌牛を貸し出しました。
牛銀行では、子牛が生まれると一頭目と三頭目はJSCに返還しますが、二頭目と四頭目以降は男性の牛になります。今年には最初の子牛が生まれる予定です。

 

障がい者、貧しい家族のための少額ローン 5家族

サモルさん(56歳)
サモルさんご夫婦は豚を育て生計を立てていましたが、2年前夫が病気になり、治療費を捻出するために豚を全部売り払いました。残念ながら夫は亡くなり、JSCでは、彼女に250ドルの少額ローンを提供しました。
サモルさんは、そのお金で5頭の子豚と飼料を購入し、養豚を再開できました。
豚は半年で子どもを産むため、子豚を売ることで、再び生計を立てられるようになりました。

 

米作改善活動支援

JSCでは、Bossthom(ボストム)村で米作の改善活動を進めています。
従来の直まきから苗代をつくり田植えをして一列に苗を植え、雑草取りなどの手間をかけて米を作る方法を農家に普及させる活動です(略称 SRI)

JSCでは、このSRI活動のリーダーを小学校の校長先生に委託しました。
彼は学校の隣にある水田で実際にこの方法で米を作り近所の人たちに教えています。新たな米作りのために必要な資金(種籾代、肥料代など)のために10家族に少額ローン(1家族$200)を提供しました。実際にこの米作りを初めて収穫量は2倍近くになりました。

 

2. 教育支援

中学生への通学用自転車 30台

カンボジアの農村部では、小学校はそれぞれの村にありますが中学校、高校はありません。中学、高校に進学する子どもたちは片道5~10kmを通学してます。そのため、JSCでは中学校への通学のために、日本の中古の自転車を提供しています(1台$50)。
スタディーツアーでは、かんぼれんで自転車を提供した多くの子どもたちとお会いしました。みな感謝し、大切に使ってくれています。

ソマリーさん 中学3年生
彼女は5才の時に両親と死別し、祖父母と暮らしています。自宅から中学校までは7㎞あり、自転車をもっていないソマリ―さんは、友人の自転車に乗せてもらっていましたが、友人が通学しない日には、徒歩で通学していました。彼女は遠くても、毎日学校に行きたかったのです。しかしながら、高齢の祖父母には、自転車を買う余裕がありませんでした。そのため、JSCは祖父母からの要望を聞き、11月にソマリーさんに自転車を提供しました。

 

障がい者、貧しい家庭の小学生・中学生への奨学金

小学生4人、中学生13人への奨学金を提供しました。

デーンさん(14歳) 小学校5年生
両親が子ども4人を祖母に預けてタイに出稼ぎに出ているため、目の不自由な祖母と3人の妹弟と貧しい家に暮らしています。長女の彼女は、毎日祖母の手伝いや弟妹の世話をしながら、何とか学校に通い続けていました。この話を聞いて、JSCは奨学金とお米を提供することにしました。

 

3. 車椅子支援

ファアルさん(55歳) 地雷被災者
2003年にタイ国境付近に竹の子を採りに行った帰路に地雷を踏み、両足を膝上から切断しました。障がいを負ったその年に離婚。現在、末の娘と孫と暮らしています。JSCシソポン事務所は、ご本人の要望に合わせ、2003年に三輪車を提供しました。それ以来、スタッフが定期的に彼女の元を訪ねて、点検修理をしながらフォローアップを続けています。2018年5月には、三輪車が劣化のため新たに作り直すことが必要と判断し、2代目の車椅子を提供しました。

JSCでは、車椅子を提供するだけなく、その後も定期的に支援した人を訪問し、丁寧にフォローアップしています。生活の状況を確認しながら、車椅子の点検・修理をし、作り替えの必要な時期には、新しい車椅子の提供をするなど、継続的な支援を行っています。日本とは道路事情が違うため、カンボジアでは三輪の車椅子が大活躍しています(1台$110)。

 

4.  Light of Mercy Home 子どもの家

JSCが運営するプノンペンにある障がいのある子どもたちの施設です。
ここでは、身体障がい、視覚障がい、聴覚障がいなど様々な子どもたち30人以上が助け合いながら暮らしています。 子どもたちは一定年齢になると子どもの家から独立していきます。
そのため、今年は昨年の訪問時には見かけなかった5,6人の新しい子どもたちが加わっていました。以前からいる子どもたちが新しい子どもたちをサポートして、今年も伝統舞踊、民族音楽の演奏などで歓迎してくれました。

子どもの家では、数年前から週に数回の英語レッスンを実施しています。今年は英語で演目の紹介と英語のスピーチもありました。 また、子どもたちが手に職をつけるために、昨年立ち上げたという水耕栽培では、立派なトマトなどが育っていました 。